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【コラム】2002-02-08

デパチカから発達する日本の食文化

2002/02/08

最近「デパ地下」という言葉がすっかり定着してきている。
テレビでも「デパ地下特集」や「デパ地下グルメ」などの言葉がお馴染みとなり、日本全国、老若男女、この言葉を知らない人はいないだろう。
そして、この不況の中、デパチカの利用率だけは急激にUPし、今や手作り派、男性陣までも取り込んで、日本の台所事情に大きく影響していると思われる。(個人的意見です。)

こういう風に考えると"一億総グルメ"ではないが、日本の「食文化」はかなり豊かで充実していきているようだ。
しかし、実際はどうだろうか?
私には子供がいないので、聞きかじりと想像でしかないが、「食育」という言葉が出てきたり、巷のファーストフード店などでの若者の食事風景や、テレビ番組から察するに、若者や子供の食事は必ずしもそうではないと思われる。
働く女性も多い世の中、昔のように家庭から「食」を学ぶことが難しくなってきているのは、いたしかたないのかもしれない。(これも個人的意見です)

何だか堅いことを書いてしまったが、そこで「デパチカ」の食文化繁栄"補助"的利用法をご提案。

デパ地下に入っている様々なお店は、競って自社の商品(=食べ物)をアピールし、「旬の○○を使った」「××産の」などと商品名やそのコメントに書いている。
すると今まで知らなかった野菜や魚の「旬」や「特産地」がわかる。
少し良く考えると「日本のどこの地方は、どのような気候だから、これが特産なのだ」「この国はこういう気候や文化だから、こんなものを食べるんだ」と社会科の勉強になる。

そして、最近は栄養成分やその効果も書いてあり、「旬」のものを食べると"美味しくて""身体に良い"ということがわかる。
更に肉なら「モモ」、魚なら「カマ」というように使っている部位が書かれている場合もあり、"どうしてそこの部分が美味しいのか"がわかる。
これらは「家庭科」と「理科(生物学)」の勉強だ。

また、デパ地下の戦略の一つである(と思われる)イベント!
お正月に始まり、七草粥、成人式、節分、ひな祭り…冬至、クリスマス。
その行事自体を知らない場合もあるし、知っていてもどういうものを食べたり、お祝いするのかがわからない場合もある。
最近はそういう内容を説明している商品もあったりして、知っているようで知らない日本の伝統的な行事、更に外国の行事までも学ぶことができる。
文化(社会科)の勉強という訳である。

更に、どれを買おうかとディスプレイを見ると、どこのお店でも一目を引こうと、美味しそうに食べ物が陳列されている。
野菜一つでもいろいろな切り方や装飾が施されたものもあれば、彩りを工夫されているものもあったりして、美的センスを刺激される。
つまり、美術・工作の勉強になる。
これは、家庭料理においても普段の盛り付け、おもてなしなどの参考にもなり、若者・子供達だけはなく、ベテランの主婦でも勉強になるだろう。

最後に、お会計。
散財しすぎないないように、お釣を間違えられないように自分でも暗算してみると算数の勉強にもなる。(これはオマケ)

以上から、デパ地下でも意識を持って活用すれば「食を学ぶ」ことができるかもしれないと思う。
「家族の為に食事を作りたいけど、忙しくて」というような事情の人々は、デパ地下を上手く利用することで、楽しい家庭の団欒ができたり、子供とデパチカに出かけて食べ物の話をするだけでも知識を得ることができる。
故に、デパチ地下には「日本の食文化の継承」の観点から「美味しくて、楽しくなる"食"」を提供してもらいたいと思う。

…と、周りから「また?」と言われてもデパチカに通いつづける私自身を正当化したような話になってしまったが、私は決して"欲望"だけではなく「食のお勉強」とポリシーを持ってデパ地下を歩き続けているのです(?)



■無花果
その昔、父の帰るコールは「今、デパートの地下におるけどいるもんないか?」 デパートでの買い物はデパチカで締める少女時代を過ごし、大学時代はデパ地下でお昼を買う為に途中下車する毎日、そして気が付けば、デパ地下が通勤経路に組み込まれている、でも自称"手作り派"の三十路主婦!

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